JCB MUSICAL

STAGE

2019.9.20

新作歌舞伎
『風の谷のナウシカ』

尾上菊之助氏インタビュー
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【このSTAGEは】

2019年12月、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』の上演が決定!
宮崎駿氏の原作漫画全7巻分の壮大な物語を、昼の部・夜の部の通しで描きます。
ナウシカを演じるのは尾上菊之助氏。
8月某日に都内で行われた合同取材会で、作品と役にかける思いを語りました。

5年の歳月をかけて構想を練った今回の上演
ナウシカと歌舞伎を融合させることの意味を
尾上菊之助が語る

8月某日、都内のスタジオで行われた新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』合同取材会。尾上菊之助氏が記者たちのインタビューに応じました。

宮崎駿作品が歌舞伎で舞台化されるのは、今回が史上初。『風の谷のナウシカ』と聞くと、宮崎駿監督のアニメ映画を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は同氏による全7巻の原作漫画が存在し、映画で描かれたのは2巻あたりまでの内容なのです。今回の新作歌舞伎では昼の部・夜の部の通しで、原作漫画7巻すべての物語を歌舞伎舞台化します。

ナウシカを演じる菊之助氏は、2005年の『NINAGAWA 十二夜』ではシェイクスピア、2017年の『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』ではインドの神話的叙事詩など、海外の戯曲を歌舞伎と融合させ、新たな歌舞伎の世界観と可能性を観客に見せてきました。

「今回の話は5年ほど前、2020年の東京オリンピックに向けて新作歌舞伎を作ろうと思ったことがきっかけです。いまや世界に誇る文化となったアニメーションと、日本の伝統的文化の歌舞伎を融合させることで、海外の方だけでなく、日本の方にとっても日本文化を見直す機会になると思いました」

そこで選んだ作品が、自身も大ファンだというナウシカ。スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏の協力のもと、本格的に今回の歌舞伎舞台化の準備を始めました。
「宮崎監督が、『風の谷のナウシカ』というタイトルを変えなければ何をやってもいい、とおっしゃったとお聞きしました。その言葉が逆にプレッシャーになりまして」と、はにかんだような笑顔で語る菊之助氏。
「宮崎監督が10年以上もの歳月をかけて描き切った作品を舞台化できることに歓喜すると同時に、大きな責任を感じました。戦争や環境問題、果ては世界の行く末といった、壮大なテーマが描かれているナウシカの世界観を大事にして、来てくださったお客様に楽しんでもらえる作品を作りたいです」と、続けます。

クシャナ役には中村七之助氏
脚本・演出陣も豪華な顔ぶれが並ぶ

物語のもうひとりの主人公といえる、トルメキアの皇女・クシャナ役は中村七之助氏が演じます。
「以前ご一緒した新作歌舞伎の現場では、いろいろな意見を出してくださり、そのおかげで作り上げることができた場面もあり、七之助さんの力は大きかったです。今回も、上演が決まってすぐ七之助さんにぜひ力を貸していただきたいとお願いをしました」と、菊之助氏。

脚本には、映画『思い出のマーニー』『ゲド戦記』などを務めた丹羽圭子氏を起用。演出は新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』を手掛けたG2が行います。

「丹羽さんもG2さんも、ナウシカの世界観をよく理解してくださっているので、安心してお任せができています。今回は、歌舞伎を初めてご覧になるお客様のことも考え、ひと目見て登場人物を認識できるような衣裳にしたりと、なるべく原作に沿った要素を抽出し、そこに古典歌舞伎の要素を融合させていけたらと思っています。また、古典歌舞伎の黒御簾(くろみす)音楽をベースに、映画の曲も一部、和楽器の編成で演奏したり、王蟲(オーム)・巨神兵などの大掛かりな仕掛けも、古典歌舞伎の技法を用いて表現する予定です」

ひとりの少女の成長物語
先人たちへの敬意を込めて

今回ナウシカを演じるにあたり、菊之助氏は「ぜひ、ナウシカの成長物語を見てほしい」と語ります。

昼夜通しの上演については、「場面が多く、時間も長いので、演者全員の総合力が試されます。とても大変だと思いますが、そこは各々が古典歌舞伎で蓄積してきた俳優としての経験値が助けになるはずです。今まで私を育ててくれた古典歌舞伎への敬いと、古典歌舞伎を守ってきてくださった先人たちへの敬意を込めて、出演者全員で作り上げていきたいと思っています。」と、意気込みを語りました。

歌舞伎の歴史に新たな1ページを刻むに違いない新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』。原作ファンも歌舞伎ファンも、どちらも楽しめる作品になりそうです。

このイベントについて
  • 日程・会場
開催日2019年12月6日(金)~25日(水)
会場名新橋演舞場(東京)
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