JCB おとな塾

JCB おとな塾

2017.12.8

Vol.8 歌舞伎鑑賞と
バックステージ・ツアー

Oct. 8,21. 2017 From 国立劇場 大劇場

【JCBおとな塾とは】

知的好奇心を刺激する良質なエンターテインメントをお届けする、JCB独自の企画「JCBおとな塾」。
8回目となる今回は、国立劇場の10月歌舞伎公演『通し狂言 霊験亀山鉾― 亀山の仇討 ―』を鑑賞。
終演後には、花道や舞台上を実際に歩きながら、国立劇場の職員による解説付きのバックステージ・ツアーを実施しました。

片岡仁左衛門が魅せる大輪の<悪の華>
仇討物の傑作『霊験亀山鉾』

四世鶴屋南北が記した仇討物の傑作『通し狂言 霊験亀山鉾― 亀山の仇討 ―』。1701年(元禄14年)に起きた実在の事件「亀山の仇討」を題材に、悪の敵の「返り討ち」を描いた異色の物語として知られている。2002年10月に国立劇場で上演し、70年ぶりの復活となる場面を中心にした構成が絶賛され、その7年後には大阪でも再演。今回は、東京で15年ぶりとなる待望の上演となった。仇討の出立から成就までの展開をよりスピーディーにするなど、台本や演出をさらに練り上げたそうだ。

剣術の試合に敗れたことを根に持ち、遠江国浜松の家中・石井右内を闇討ちした浪人・藤田水右衛門。本作では、仇討ちに来た人々を卑怯な手段で次々と返り討ちにする水右衛門の徹底した極悪非道振りが見どころのひとつ。さらには水右衛門と瓜二つの悪人・八郎兵衛も登場し、悪漢ここに極まれり。2002年に水右衛門と八郎兵衛およびト庵の一人三役を演じて絶賛された片岡仁左衛門が、今回再び同役で国立劇場に帰ってきた。

歌舞伎初心者にうれしい
公演プログラム、イヤホンガイド

奈良東大寺正倉院の校倉造り(あぜくらづくり)を模して作られた国立劇場。当日はあいにくの雨模様となったが、風格のある会場にあわせて、そして演目への期待を込めて、着物で来場される方も多くいらっしゃった。なお、本日の緞帳は、江戸時代の琳派の画家・鈴木其一の筆による屏風にならったものだという「四季草花図」。表現力豊かな「綴織錦」で織られた絢爛な緞帳には圧巻の一言。

今回の「JCBおとな塾」は、ご参加の皆様への特典として、「イヤホンガイド」の貸し出しのほか、「公演プログラム」と「手ぬぐい」のお土産が付くプラン。『霊験亀山鉾』は登場人物が多く、人物関係も入り組んでいるため、初めて観劇される方にとって、イヤホンガイドと公演プログラムはなくてはならないもの。本筋の解説はもちろん、時代背景や鶴屋南北の人となりなどにも言及するため、さらに深く楽しんでいただけたのではないだろうか。

さて、国立劇場は仁左衛門が咲かす大輪の〈悪の華〉をひと目見ようと、多くの人々の熱気で大盛況――いよいよ開幕。

昼食はお食事処 「十八番(おはこ)」で
季節の食材を使ったお弁当

闇討ちされた石井右内の弟・石井兵介が水右衛門に仇討ちを申し込むも、非道な手口で返り討ちに。無念のなか命を落とした兵介の想いは、右内の養子・石井源之丞が受け継ぐことになる。中村錦之助演じる源之丞が登場した「序幕 第三場 播州明石網町機屋の場」の幕が降りたところで、35分間の休憩となった。物語がグッと進み出し、この後の展開に期待が高まるところではあるが、ご参加の皆様はここで、国立劇場内にあるお食事処 「十八番(おはこ)」で昼食の時間となる。お召し上がりいただいたのは、季節の食材を使った「竹弁当」。煮物やお刺身、お浸しなど、ていねいに盛り付けられたお料理を楽しんでいただけたのではないだろうか。

花道を歩き、廻り舞台も体験!
感動のバックステージ・ツアー

休憩をはさんだ後、後半の舞台では、本物の水を使って雨を表現した場面や、燃える棺桶から水右衛門が突然登場する場面など、意表を突く展開が次々と訪れ、驚嘆の連続。そして、仁左衛門演じる藤田水右衛門が遂に追い詰められ、石井家の本懐がようやく遂げられたところで『霊験亀山鉾』は幕を降ろした。見事に咲き誇った仁左衛門の悪の華を眼前にし、終演後の会場は大賑わい。その興奮冷めやらぬなか、「バックステージ・ツアー」が開始された。

バックステージ・ツアーでは、つい先程まで役者たちが演じていた花道や舞台を実際に歩くほか、普段は見ることができない舞台裏を解説付きで見学できる。今回、解説を担当したのは、国立劇場職員の中屋雄太さん。早速、中屋さんのガイドに沿って、客席から花道を通り、舞台へとあがる。

舞台にあがると、普段は見ることのできない舞台からの眺めに驚きを隠せないご参加の皆様。数分前までここに立っていた片岡仁左衛門のことを考え、胸ときめかれた方も多いのではないだろうか。そして、中屋さんのガイドによって舞台中央へ移動すると、廻り舞台が動き始めた。舞台を観るだけではわからない、実際に自分で体験できることがバックステージ・ツアーの醍醐味。廻り舞台の直径は20mと非常に大きく、迫力のある動きにどよめきがおこるほど。中屋さんによると、花道は19.5mあるので、廻り舞台の直径とだいたい同じくらいの長さと考えていいそう。

舞台上には、本日の公演で使用した大道具も置かれており、その仕掛けを見られるのもうれしいところ。大道具は「基本的に木や布や紙などで作られており、分解しやすく、組み立てやすく、軽いので動かしやすいようになっています。また、客席から見えない部分は極力簡略化する」のだそう。焼き場の場面で八郎兵衛が転げ落ちた井戸と、その直後に水右衛門が棺桶から飛び出す、仁左衛門の早変わりの仕掛けを垣間見る楽しみもバックステージ・ツアーならではのものだろう。

舞台を堪能したあとは、ステージ脇の階段を降りて、花道の真下に位置する通路へと足を進める。ここは楽屋と花道を結ぶ通路。普段は入れない場所であるだけに皆様は興味津々の様子。そして、突き当りの階段を上がり、花道に出る役者が最後の拵えをする場所、鳥屋(とや)へと到着。花道と鳥屋の間には揚幕とよばれる幕があるが、中屋さんによれば、「勢い良く開け閉めするとシャッという音が聴こえてきます。この音がしたら、いまから役者さんが出ますよという合図のようなものだと考えてください」とのこと。そこで、バックステージ・ツアーの最後は中屋さんが揚幕を引き、ご参加の皆様が花道へと出ていくという晴れやかな形で締めくくられた。

「JCBおとな塾」で上質な文化体験を

「JCBおとな塾」では、普段体験できないプレミアムな内容を提供している。8回目を迎えた今回は、購入が難しい『霊験亀山鉾』の特別席チケット、なかでも、花道の迫力を感じられ、入手困難と言われる花道近くの席をご用意。そして、「JCBおとな塾」ならではの企画として、バックステージ・ツアーを開催。歌舞伎初心者の方はもちろん、熱心なファンの方にもお喜びいただけたのではないだろうか。今後も、「JCBおとな塾」でしか味わえないプレミアムな企画にご期待ください。

このイベントについて
開催日2017年10月8日(日)・21日(土)
会場名国立劇場 大劇場(東京)
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