JCB MUSIC

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2017.4.14

Vol.8 森高千里

JCB MUSIC vol.8
JCB Presents Chisato Moritaka Special Live vol.2 in BLUE NOTE TOKYO
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【JCB MUSICとは】

JCBが独自に企画している、JCBカード会員の方だけにお贈りする限定ライブ。
今回は、2015年1月に続き、2回目の登場となる森高千里。
当日のReport と Set Listをお届けします。

親密な空間で繰り広げられる濃密なライブ。
森高千里@Blue Note TOKYO
SPECIAL LIVEをレポート!

森高千里が再び、東京・南青山に位置するジャズの聖地、ブルーノート東京のステージに舞い降りた――。
「JCB Presents Chisato Moritaka Special Live vol.2 In Blue Note TOKYO」。
ちょっとした事件のような衝撃があった初開催から、ちょうど半年。2度目となる今回の公演は、2015年6月26日(金)、27日(土)の二日間にわたって計4ステージが行われた。まずもって、ブルーノート東京という大人の空間で森高千里を、しかも間近でパフォーマンスを見られるということ自体が、すごく貴重なこと。前回を大きく上回る申し込みが集まったという今回の公演の中から、27日(土)の夜、有終の美を飾ったライブの模様をお伝えしよう。

ジャズクラブである客席は、もちろん満員。店にドレスコードはないものの、それぞれにオシャレを楽しんでいるような姿が多い。落ち着いているようで、みんなが同じ一人を待ちわびている、そんなそわそわがじわじわと高まった20時過ぎ――客席後方から黒ずくめのバンドメンバーが登場、大きな拍手で迎えられる。森高の長年にわたる盟友・高橋諭一率いるバンド、この公演だけの名前は「THE BLUE NOTES」。今回の編成はギター二人に、ベース、キーボード、マニュピレーターという布陣だ。前回との大きな違いは、ドラムがなくなった代わりにキーボードが加わっている点(森高がMCで明かしたところによると、ドラムは自身が叩いた音を録音して流したのだという)。そうして曲のイントロが流れる中、ついに客席を通って森高千里が現れた。今回の衣装は、上半身にラメが付いた黒いラバー地のワンピース。場に馴染みつつ、華やか。一気にブルーノート東京が盛り上がる。

「♪夏が来た 夏が来た 燃えるような夏が来た」――一曲目として歌われたのは「夏はパラレイロン」! 「ララ サンシャインPart2」との副題が付いて、’96年のアルバム『TAIYO』の1曲目に収録されているナンバーだが、「ララ サンシャイン」よりも先に制作された曲としてファンの間ではつとに有名。意外なオープニングが楽しいが、そこからさらに「Romantic-ロマンチック-」「戻れない夏」と続けて、会場をリゾート感で包み込んでみせた。それにしても驚くのが声の伸びと、表現力の豊かさだ。ライブ活動を再開させて以降、どんどんそれが増しているように感じられるが、Youtubeに自曲のセルフカバーをアップし続けている経験が、寄与しているのかもしれない。それにしても、なんだかいきなり“持っていかれた”感があって度胆を抜かれてしまった。

3曲を歌い終わってのMCで、森高は客席を眺めながら、世代について言及する。「同年代の方たちが盛り上がってくれるのはもちろんですが、今回の公演にちらほら20代の方も来てくれている。若い人が『森高のライブ行ってみよう』って来て、盛り上がってくれるのはありがたいですね」。さらっと語ったが、イチ聴き手としても本当にそう感じるというか、ぜひ多くの若者に“今の森高”を目の当たりにしてほしいと思った。詞と曲の良さはもちろんだが、一曲目から場に馴染みつつ、掌握してみせ、その上で比類のない存在として屹立してみせる森高千里に、ライブで接するのはすごく意味のあることだろう。

でも結局は、老若男女を問わず見てほしいなと思い直したのが、「ミーハー」「叔母さん」「私がオバさんになっても」という“女性目線”を代表する3曲だ。自分をどう客観視すればいいのか、どこまで周囲に正直に伝えればいいのか。彼女の詞は、自分と向き合う方法を教えてくれる。そのロールモデルは今でも十分に通用するし普遍的だろう。それでまた、そんな曲を聴きながら、同時代に聴いてたとおぼしき女性の店員さんはそっと「ミーハー」曲の振りを踊っていたし、「♪私がオバさんになったら あなたはオジさんよ」と歌われた彼女と同年代であろう男性客は、口を大きく開けて笑っていたから面白い。こんなに会場にいる人が丸ごと笑顔なライブもそうそうない。

ブルーノート東京ならではということでは、今回の公演でも特別にオリジナルカクテルが提供された。スパークリングワインに、オレンジとライムとパッションフルーツのジュースを加えた一品について、森高はMCで「爽やかでいいですよね。飲んでますか?」とコメント。すると多くの人が、すっとグラスを掲げたのを見て「なんか乾杯みたいになってますね(笑)。じゃ、歌うので私は飲めないですけど乾杯しましょう!」。カクテルだけでなく、この辺の物理的な距離の近さに伴う親密さも、ブルーノート東京でしか味わえない。

「1月の公演が好評だったみたいで、すぐ『またやってください』というお話をいただいてたんですが、ブルーノート東京さんと私のスケジュールがなかなか合わなくて。このタイミングになってしまいました」 そう森高は述懐したが、このタイミングだからこそ夏に寄せたナンバーも聴けたわけで、そのことはメンバー紹介を挟んで披露された「雨」から「片思い」「I LOVE YOU」と続くナンバーで顕著に感じられた。「最近も雑誌で“雨に聴きたい曲”の1位に選ばれたんです」と紹介しての「雨」が、6月にドンピシャなのは言わずもがな。しかし実は6月~7月は晴れていれば、もっとも夕焼けが鮮やかな季節でもある。「片思い」~「I LOVE YOU」の流れは、そんな学校帰りの夕暮れ時の光景が眼前に広がるようで、甘酸っぱい。ここでも“アップデートし続ける変わらない森高らしさ”ともいうべき、進化している彼女の表現力を思い知ることとなった。

そして彼女の進化の最たるものが、ダンスミュージック界で気鋭のトラックメイカーとして注目を集めるtofubeatsとコラボした「Don’t Stop The Music」と「ララ サンシャイン」(こちらはtofubeatsがリアレンジを施している)だ。その直前の前MCで、現在自分がTVや雑誌など露出が増えていることについて「お話をいただくと嬉しくて、これもチャレンジだと思って『やります!』とつい言っちゃう(笑)」と語った森高。tofubeatsとコラボレーションしたことで、昨年は初めて渋谷のクラブでのライブを敢行。初めてとは思えないハマり具合にフロアが騒然となったのだったが、彼女自身も手ごたえを感じているようで「大好きな曲です」。ブルーノート東京の音響の良さとミラーボールの設備があいまって、クラブの雰囲気が再現されたかのような音空間がなんとも楽しい。お客さんも手拍子したり、頭を揺らしたり。「みなさん、お酒も飲んでいい感じですね! 私は飲んでないですけど!」と、歌い終えた森高の表情も満足げだ。さらに、ワクワクした面持ちで「Vol.2があるってことはVol.3もあるのかな?」と次への意欲(?)を語ってからの、ラストは「気分爽快」! なんだか結局最後は宴会みたいになっちゃったな、って感じも森高らしくもあって、すてきな本編だった。

「こういうところで歌えるようになったんだなとつくづく感じながら立ってました」。 なりやまないアンコールに応えて再度ステージに現れ、そう述べると「この曲はステージで初めて歌う曲です。こんな人生で、こんな人のように歳を取れたらいいなと思って詞を書きました」と続けて、「STEP BY STEP」を披露する。駐車場で働く男性の誠実な姿から、ゆっくり歩くこと、あわてずに生きることの大切さを描いた名曲だ。そうして丁寧に、かみしめるように歌い終えた森高は「この曲をブルーノート東京で歌えてよかったです」とポツリ。不意にウッときた瞬間だったし、こちらこそこの曲をブルーノート東京で聴けてうれしかった、です。

アンコールの最後は「手をたたこう」で、プリミティブに身体を動かしてスッキリ! …のはずだったがいよいよなりやまないアンコールの声に、森高千里は再々登場。最後の最後に「渡良瀬橋」を歌って幕。「1回目よりも、お客さんひとりひとりの表情を私自身が楽しめたように感じています」と終演後、森高は語ってくれた。どの会場で見ても彼女は輝いている、でも、ブルーノート東京の森高にはブルーノート東京の森高にしかない魅力がまたある。そのことを強く感じさせたライブだった。プレミアムな空間とひとときだけに、おいそれと言えることではないのだが、もっともっと多くの人に“ブルーノート東京の森高千里”を味わってほしいと思う。

Set List

M1 夏はパラレイロン(ララ サンシャインPart2)
M2 Romantic-ロマンチック-
M3 戻れない夏
M4 ミーハー
M5 叔母さん
M6 片思い
M7 私がオバさんになっても
M8
M9 I LOVE YOU
M10 Don't Stop The Music
M11 ララ サンシャイン
M12 気分爽快
En1 STEP BY STEP
En2 手をたたこう
En3 渡良瀬橋
このイベントについて
  • 日程・会場
開催日2015年6月26日(金)・27日(土)
会場名BLUE NOTE TOKYO(東京)
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